学問を取り戻せ!

なぜ私たちは学ぶのか?本日はこの問いに対する自分なりの考えを書いてみたいと思います。ちなみに私なりの答えは「優しくなるため」です。さらに言うならば、理由などない、だからしいて言うならば「優しくなるため」ということですね。これは昨今の学問の立ち位置への警笛でもあります。

 

昨今、よくこんな言葉を目にします。「底辺の人間」「できる奴とできない奴」「仕事ができる人できない人」「稼げる人と稼げない人」これからの言葉の裏にはいったい何があるのでしょうか?私はこう考えます。私たちは知らず知らずの内に「差別主義的」になってしまっているのではないでしょうか?ようするに○○できる奴は偉くて、○○できない奴は偉くない、さらに言えば虐げられて当然だと。でなければこんな二項対立はそもそも発想として生まれないはずです。

 

ではこの「差別主義」別の言葉で言えば「現代カースト制度」はどうして生まれたのでしょうか?その一つの可能性として学問の間違った見方にあるのではないかと思います。現代において学問というものが一つの単なるステータスとなってしまっていることがその原因です。ちなみに学問を身に付けること自体はとても大切なことであり、むしろ、どんどん身に付けて欲しいと思っています。しかし、その目的が間違ってしまうとこれはたちまち「差別主義」的思想に繋がってしまうので注意が必要です。

 

私自身もそうでしたが現代の高校生にとって大学を選ぶ理由は将来の就職のためになってしまっています。また、大学の研究もその分野での権威の椅子取りゲームと化してしまっています。つまり、このような状況下では学問というものが、そのまま「誰かを振るい落すための単なるシステム」ということになってしまっているのです。ゆえに昨今では学問を学びたくさんの知識を得たはずの人たちがなぜか問題解決以上に相手をこき下ろすような光景をたくさん目にするようになりました。私はこれはとても危険なことではないかと思います。

 

では、学問と私たちはどのように付き合っていけばいいのか?答えは簡単です。「自分の興味のある分野について、それが役に立とうが立つまいが研究していくこと」です。わかりやすく言えば、「自分の好きなことを好きなだけ研究しなさい」ということです。これは何も学問だけに言えることではありません。そもそも知識というものは学問の領域だけではないはずです。よく頭が悪いとかいいとかいいますが、実際はそんなに大した差はありません。それは単に知っている知識の偏りがあるというだけです。例えば、受験一つとってみても英語が得意な人は確かに英語のテストの点数が高いでしょう。ただし、それは英語の問題が出る前提があるからそう見えるだけで、頭のよさや悪さとは関係がありません。例えば、受験に音楽の問題が出たとしたら、英語しか勉強してなかった人には不利にはたらきますし、音楽を勉強してきた人には有利になるだけの話です。もっと極端な例を出せば、受験に芸能人やアイドルに対する問題があったら、それに詳しい女性や、オタクが有利になることだってあるのです。つまり、そもそもある特定の分野の情報を知っているかどうか以外何も計れていないのです。ですからそもそも頭がいいか悪いかを気にすること自体が無意味なのでそれは考える必要がないということをここでは強調しておきます。

 

さて、では学問をする上で頭の良し悪しは関係ないことがわかったところで、ではなぜ学問を学ぶ必要があるのか?それは最初に書いたように「優しくなるため」です。どうしてこのようなことが言えるのかというと、次のことを考えてみるとわかりやすいと思います。「相手のことを知らなくて、優しくできますか?」おそらくできないと思います。だから、研究するのです。植物のことを詳しくなかったら植物に優しくできませんし、動物でも同じことが言えそうです。ということは全てのことで同じことが言えるのではないでしょうか?人間について知らない人が、人間に優しくできるのか?体のことが解らずに体調を管理できるのか?できないでしょう。だから、どんどん自分が好きで大切にしたい物や、人、思想、哲学、学問なんでもかまいません。それらを好きなだけ研究してみてください。そしたら、その研究した分野をもっともっと大切に思えるはずです。この気持ちが学問をする上では大切なのではないかと私は考えます。

 

どうですか?これが私が考える「学問は優しくなるためにするもの」とうことです。自分の知識で相手を否定したり、攻撃したりするためではなく、自分の好きな分野をより大切にできるようにどんどん知識を身に着けていきましょう。天動説を信じようが、地動説を信じようが星が綺麗なことに変わりはありません。ならばあなたはどんな物語をそこに見出すのか?それが学問、しいては学んでいくという姿勢なのではないでしょうか?

 

では本日は以上です!